第37回「お父恋し吹雪の夜」

 父親に会うため、上郷村に現れた乞食の母娘ツキとリン。母親が社に住みついた同じ頃、火事騒ぎが起き、母娘は放火の疑いをかけられる。父親にも会えず、村人たちから追われるようにして吹雪の中をさまよううち、母親は息絶えてしまう。
 一命を取りとめた幼い娘リンは口がきけなくなってしまう。そこへ赤川が真っ赤に染まったという知らせが入り、村人たちが不安に思う。そこへまた、再び火事騒ぎが起こり疑いはリンへと降りかかるが、真相を知る庄屋の源蔵から村人たちへ真実が伝えられる。
 最後に父親と再会を果たせたリンだったが、父親を受け入れることはできなかった。幼い娘の切ない想いに、観客は胸を打たれた。

第38回「~高清水・妖かし物語~ぼんず」

 高清水の山で、妖怪たちと暮らす人間の男の子「ぼんず(坊主)」。「ぼんず」は、ある日里に降り喜助一家に餅をごちそうになるが、毎日やってくるため喜助夫婦はやむを得ず焼いた白い石を食べさせ「ぼんず」を追い払おうとする。石を食べのたうち回る「ぼんず」の右足にはかつて高清水に捨てた長男と同じアザがあった。
 8年の時を経てついに「ぼんず」を見つけた「ぼんず」の妹キヨと弟の健三。そこで妖怪たちが語る真実を受け入れられない「ぼんず」。しかし、そのとき長雨が続いていた村に猿ケ石川氾濫の危機が迫っていた。村を助けようと人柱になる決意をする「キヨ」。そんな「キヨ」の身代わりになろうとする「ぼんず」。そして「ぼんず」たちを助けようと禁を犯して妖怪たちが氾濫を食い止めようとする。
 家族の絆、妖怪たちと人間の絆、誰かが誰かを思い、支え合う温かい感動が会場を包み込みました。

第39回「河童のやんたろう」

 今作は綾織町を流れる猿ケ石川が舞台。雨乞いの腕が認められ、村に住みついた流れ者の子、やんたろう。ひょんなことから河童と仲良くなり、河童の世界へ家出する。しばらくして、再び村を日照りが襲い、雨を降らせられなかった責任を取り、両親が人柱になることに。
 両親の命を救うため、やんたろうは竜神様にお願いして、自分の魂と引き換えに雨を降らせてもらう。
 自分を犠牲にして両親の命を救おうとするやんたろうの姿が、観衆の涙を誘いました。

第40回「でんでらぱらだいす」

第40回公演ポスター

  今作は土淵町のでんでら野が舞台。長三郎はとうにでんでら野に行く年齢を超えているが、息子の長蔵があらぬ夢を見て百姓に精を出さないため、山に行くことができないでいました。
 その、長蔵の夢につけ込んだ役人の良からぬ企てにより、長三郎は山に追いやられてしまいますが、でんでら野はまるで別世界。でんでら野の老人たちは楽しく暮らしていました。
 長三郎がいなくなった家はたびたび危機に陥ります。家を救うため、でんでら野の老人たちは立ち上がります。
 楽しく生きようとするでんでら野の老人たちの姿と家族の絆が、観客の笑いと涙を誘い、観客とともに、40年の節目となる市民の舞台を創り上げました。

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