民生児童委員
~地域福祉を支えるボランティア~「民生児童委員」
住み慣れた地域で安心して暮らしていくには、みんなが支え合い、助け合っていくことが必要です。
そんな地域の助け合いの最前線で頑張っていただいているのが、民生児童委員の皆さんです。
民生委員制度は、今から百年近く前の大正6年に岡山県で済世顧問制度としてはじまり、現在は地域福祉を支える仕組みとして、全国に定着しています。
遠野市では、現在96人の民生児童委員、18人の主任児童委員の皆さんにお世話になっています。
でも、「民生児童委員」ってよく聞くけれど、何をしているのか知らないという方も多いのではないでしょうか。
ここでは、その民生児童委員の活動をご紹介します。
「民生児童委員とは」
民生委員は、地域福祉の向上のために厚生労働大臣から委嘱されたボランティアで、児童委員を兼ねています。
また、児童虐待など子どもが巻き込まれる事件等が社会問題化する中で、平成13年に児童福祉を専門的に担当する主任児童委員が法制化されました。
それぞれ担当地域が決められており、使命感と責任感を持って、地域において様々な活動を行なっていただいています。
選任
皆さんの身近に住んでいる方で、その地域をよく知っている方を自治会等地域から推薦いただきます。民生委員は厚生労働大臣、児童委員は都道府県知事が委嘱します。
任期
3年(再任は可能)
記事中では、「民生委員・児童委員」を「民生児童委員」と表記します。
「民生児童委員の活動」
民生児童委員は、社会奉仕の精神を持って、住民の立場に立ち、相談、援助を行い、地域福祉の向上に努めています。
「調査」「相談」「情報提供」「連絡」「調整」「生活支援」「提言」の7つのはたらきを基本に活動しています。
「調査」
担当区域内の住民の実態や福祉ニーズの日常的な把握。
「相談」
地域住民がかかえる問題について、相手の立場に立ち、親身になった相談。
「情報提供」
社会福祉の制度やサービスについて、その内容や情報を住民に提供。
「連絡」
住民が、個々の福祉ニーズに応じた福祉サービスが得られるよう市役所や施設、団体等に連絡し、必要な対応を促すパイプの役割。
「調整」
住民の福祉ニーズに対応し、適切なサービスの提供が図られるように支援。
「生活支援」
住民の求める生活支援活動を自ら行い、支援体制をつくっていきます。
「提言」
活動を通じて得た問題点や改善策についてとりまとめ、必要に応じて民生児童委員協議会をとおして関係機関などに意見を提起。
高齢者世帯、ひとり親世帯、障がい児者世帯、赤ちゃんがお生まれになったご家庭などへの訪問活動により、見守り支援を行なっています。また、高齢者等が救急搬送された場合などは、病院へ同行したり、ご家族への連絡調整を取っていただいたりもしています。虐待防止の観点では、児童・高齢者など虐待事案の早期発見・通告にも尽力いただいています。
■遠野市民生児童委員協議会 会長・副会長定例連絡会
市内の民生児童委員、主任児童委員で「遠野市民生児童委員協議会」が組織されています。各地域の状況の把握、課題、問題等を共有するため、市内9地区からの代表者会議(定例連絡会)を毎月1回開催。
各機関との連携のあり方、活動に際し直面する課題、委員としての活動のあり方、個人情報を取り扱う重みなど、意見交換しながら、取組みを進めています。
~基本活動のほか、地域活動にも積極的に協力参加。住民福祉の向上に、幅広く取り組まれています~
■災害時等における避難行動要支援者の支援
東日本大震災等の教訓を踏まえ、災害時等に自ら避難することが困難な方を支援する仕組みづくりを進めています。災害発生時には、民生児童委員は自治会等と協力しながら、地域の要支援者への情報提供や避難誘導、安否確認などの支援の一旦を担います。
■サロン活動
民生児童委員さんの声かけにより、遠野市内各地区で「いきいき・ふれあいサロン」活動が行われています。地域によってサロン活動の内容は様々。各地域の委員さんが、工夫して集いの場づくりをされています。