構造改革特別区域計画の作成主体の名称

岩手県遠野市

構造改革特別区域の名称

日本のふるさと再生特区

構造改革特別区域の範囲

遠野市全域

構造改革特別区域の特性

遠野市では、「日本のふるさと」としてのまちづくりを進め、交流人口の拡大を図ってきました。
しかしながら、観光客数が伸び悩み、また、農業従事者の高齢化などから、今後耕作放棄地の増加が懸念されています。

構造改革特別区域の意義

グリーン・ツーリズムという言葉が登場して以来、全国各地の農山漁村で様々な取り組みが行われ、日本人にあったツーリズムのあり方が模索されています。

グリーン・ツーリズムは、農作業が体験できるなど、都市では味わうことのできない体験的なメニューが重要な役割を担っています。農村地域では、旅行者から農作業の労力の提供を受ける一方、郷土の文化を意識した手づくりによるもてなしを旅行者に提供する過程の中で、地域の誇りを再認識するという意義を見出すことにつながります。

また、農家数の減少や農林業従事者の高齢化の進行、農林業の担い手不足などによる生産力の減退、生産基盤である経営耕地面積の減少や休耕田の増加など、遠野らしさが損なわれる状況を克服し、地域の大切な資源でもある田園風景を維持するために、農林業を中心に、耕地の有効活用を図り、高生産・高付加価値化を図る新しい産業の創造が地域に展開され、活力あるまちづくりに資するものであると考えます。

遠野の持つふるさと感や遠野らしさといった地域資源を保全しつつ、都市との交流人口を一層拡大するとともに、交流によって地域に住んでいる人たちが「おもしろさ」と「やる気」を感じ、自発的で、手づくりによる活動展開がさらに充実されることによって、より一層の地域の活性化が期待されます。

構造改革特別区域の目標

「ぬくもり」と「もてなし」の心でつくる遠野ツーリズムの推進

交流拠点施設に加え、地域資源を活用した郷土料理や酒類、 地域の歴史文化に触れる機会を拡充し、農家民宿による面的拡大など、市内滞在機能の強化を図ることで、「もてなし」の心でつくる滞在型観光の振興を推進します。

「おもしろさ」と「やる気」を感じる新たな起業の促進

農村や森林の持つ多面的な機能を活かし、美しい田園景観を守り育てながら、農業従事者の確保・育成を図るため、農林業に意欲を持ち、安定的な経営を目指して、多様な分野から農業に取り組む法人等の主体的な取り組みを促進し、地域産業の活性化を図ることを目標とします。

また、地域の食文化の復活や生産作物の付加価値を高める農産物加工・販売など地域に根ざした新たな起業化を促進します。

構造改革特別区域の実施が構造改革特別区域に及ぼす経済的社会的効果

期待される「心」の所得

モノの所有より「いい時間」を持つことが優先される時代を迎えたと言われている中で、地元の歴史・文化などの特性を意識した農村らしいもてなしから生み出される時間の過ごし方があげられます。

一方、農村で生活する者にとっても、地元の文化を意識した取り組みを行うことで、改めて地域の誇りを再認識するきっかけになるなど、都市住民や農村地域で生活する住民の双方が、相応の心の所得を得る効果が期待できると考えます。

期待される経済的社会的効果(平成19年度目標)

  1. 新規起業(農家民宿、自家製酒類醸造)……30件
  2. 株式会社等による新規就農件数………………10件
  3. 観光客数(宿泊客数)………………… 65,000人

特定事業(適用される規制の特例措置) 

構造改革特区の計画書