第21回「つぶ殿の嫁っこ」


 

「つぶ殿の嫁っこ」  全国に先駆けて作られてきた遠野物語ファンタジーも20回目を向かえ、平成7年9月2日には20周年記念祝賀会が、これまで舞台を支えてきてくれた多くの人たちが参加し盛大に開催された。今年からは新たなる出発の俊として、市民の舞台を引き継ぐべき次の世代へ舞台運営の底辺から伝えていく時期のスタートでもあった。脚本は、市内から募集があった2つの原案をさらに一つの物語として創造するといった入念な制作方法となった。例年2月公演を行っていたが、厳寒のなか参加者が体調をくずし、稽古の日程に支障がでるなどの状態もあったことから、今回は早春の3月中旬に公演を開催するという挑戦をした。
 スタッフ・キャスト約3ヶ月一丸となって作りあげた水神様の申し子「つぶ」をめぐって展開された舞台は、観客を幻想の世界にいざない、笑いと感動を会場いっぱいにつつみこんでいった。こうして、新たなる好スタートを切ったのである。



 

第22回「マタギの鵺」


 

「マタギの鵺」  舞台づくりの本来の意義を再確認し、制作委員会として『テーマの市内一巡』を決め、委嘱した4人の脚本検討委員会が上郷町を選定した。10月には行って脚本づくりが行われ、『旗屋の鵺』をメインテーマに、上郷町に伝わるさまざまな話を組み入れて『マタギの鵺』を脚色した。そして、自然の威厳さと大切さ、動物と人間の共存をキャストの迫力ある演技で見事に訴えた。また、照明と音響の技術を駆使した繊細な表現や一糸乱れぬ舞台転換も好評を博した。その中で、青年たちが中心となりベテラン組みが指導にまわった。一方、音楽分野も作曲数の多さに加え、新たに、40名の混成四部合唱と弦楽アンサンブルが参加し深みのある演奏で魅了した。
 市民参加による舞台づくりと新しい地域づくりとの結合を目指す再出発として、上郷町地連協をはじめ婦人会や平倉神楽保存会・上郷中学校太鼓の参加など、例年を上回る盛り上がりを見せたことは観客数の多さにも示され、新たな出発にふさわしい公演となった。


 

第23回「狐に憑かれた男」


 

「狐に憑かれた男」  遠野物語拾遺201話をモチーフとして、小友町を舞台に約3時間の力作となった。初の女性演出と3人の演出補のチームワークの良さで、主人公の変身ぶりを和楽器などの音楽と大掛かりな舞台セット・照明で見事に表現し、詰め掛けた2,200名の観客に訴えた。参加者は470名に及んだが、これは第2回『でんでら野の夜明け』の520名に次ぐもので、小友町6団体の郷土芸能90名の参加など、町民の積極的な協力によるものである。また、美術では「トオヌップ」の組織的参加が特に光った。これからの盛り上がりは、6月に行われた知事との県政懇談会を契機にして、早めの脚本作りなど、全体の取り組みが順調に進んだことがあげられる。「ファンタジー」は作る家庭が大切である。そして、感動を共有しての『大反省会』もまた重要であるが、小・中・高校生の演奏人を含めて400名を超える参加者が会場を埋め尽くし、例年にない雰囲気を鴨治出していた。その中で、大道具の女子高生に、大人の参加者からリボンをつけた金槌がそっと贈られ「来年も参加を」との微笑ましい光景もあったという・・・・・。



 

第24回「長須太から来た嫁」


 

「長須太から来た嫁」  土淵町が舞台の聴耳草紙118番「長須太マンコ」のその後という設定で「親子愛をテーマ」に原作、脚色を若い3人のグループワークで行い、その後3人は演出、キャストリーダー、音楽監督の役割を担った。郷土芸能は、飯豊神楽の中から「御神楽(通称:鳥舞)」を演じてもらい、土淵町の長老から聴き取り、現地調査、わらべ歌の採譜等を行った。ファンタジーの大きな特徴である音楽の生演奏は、新たに作曲した24曲を音楽人160人で盛り上げた。
 24回目を迎えて、遠野物語ファンタジーが産声をあげた20年前とは参加者の意識も生活状況も大きく変わっている。ファンタジーとはいったい何かという疑問にどう応えるか。これまで築いてきた伝統の重さと変化への苦しみの舞台づくりであり、最後まで試行錯誤が続く。硬直的・画一的でないものを目指す挑戦であった。




 

お問い合わせ
◎遠野市民センター/遠野物語ファンタジー制作委員会事務局
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