第17回「酒っこの好きな女房どの」


 

「酒っこの好きな女房どの」  今回は、新たなスタートとしての舞台です。それは、8回までは市内拡張に伝わるそれぞれの民話を、16回までは制約無しに喜劇やミニオペラ風にと、8年区切りで取り組んできたからです。
 17回目を迎えて制作委員会は、「もう一度各町を一巡しよう」との結論に達し、土淵町の話をテーマにしました。同町の皆さんには色々とご協力いただきました。ありがとうございました。
 さて、参加者は初心に帰って「運とは」の作品作りに没頭し、集中的に取り組みました。小学校の子どもたちが子役の公募に殺到し、やむを得ずオーディションを行いました。以前の子役が社会人となってUターンしてきました。親子の参加もふえてきました。また、定年で退職した方々の参加など、層が厚くなりました。正に年代・職業の違いを意識しない取り組み、一丸となって舞台の成功を目指して、「新たなスタート」を切ることができました。



 

第18回「南部小雀の怒り」


 

「南部小雀の怒り」  原案の応募作品2年の中から附馬牛町を舞台とする、義賊「南部小雀」を取り上げた。毎年のことなら、今回は特に脚色に苦労し完成は年末になった。総合舞台とはいえ、脚本の重要性はその成否の鍵を握っている。今後の課題として、脚色者の要請と技術向上があげられる。
 舞台づくりは、1月に入ってキャスト・スタッフがいっせいに集中して進められた。三年続きの飢饉の中、容赦ない年貢の取立てに対して村人を救おうとする『南部小雀の』の姿。キャストたちが若返った。オーディションを通った子役も元気いっぱいである。昔の子役がUターンし大人役で張り切っている。注目される事は、学校の教師の参加と協力である。まさに教育文化の創造が、学校・地域・家庭の連携によって大切に育まれるのである。そして、ファンタジーも次代の若者たちに受け継がれ、新鮮さをかもしだしながら発展して行くに違いない。


 

第19回「お仙が淵の眼なし竜」


 

「お仙が淵の眼なし竜」  19回目を迎えた今回は、遠野物語から、小友町を舞台とした「お仙が淵」の話をとりあげ、さらに、幻想的な「雪女」コミカルな「川うそと狐」を盛り込み、内容の濃い物語となった。準備はいつもより早めにスタートし、万全な体制で臨んでいたのだが、やはり稽古や舞台づくりは夜遅くまで続いた。しかし「人の情けの大切さ」「人間のもつ弱さを観客に伝えたい」という熱意が、疲れきったキャストやスタッフに力を与えた。音楽も、今年は位置から作曲し、完璧を期して練習に励んだ。また、今年はお供が舞台ということで、小友町氷口に伝わる「御祝」に出演をお願いした。男性と女性がそれぞれ別な歌を歌い、それが混声するという全国にも例のない不思議な民謡。荘厳な素晴らしい舞台となった。竜神から罰を受け、竜にされていたお仙はラストシーンで、息子坊太郎の情で人の姿に戻り、坊太郎の涙で眼も見えるようになった。幕が降り、客席が明るくなっても、感動の余韻はまだ続いていた。



 

第20回「峠物語り」


 

「峠物語り」  昭和51年に第1歩を踏み出した遠野物語ファンタジーも、とうとう今年で20回目を迎えた。20周年という、人間なら成人式を迎える節目を、これまでとは少し趣向を変えた舞台にしようと、遠野物語第63話の「マヨヒガ」の話をモチーフに、キャスト・スタッフとも、早くから取り組んだ。スタッフは連日連夜、寒い中でも毎日集まり、誰も見たことのない「あの世」というものを何とかして伝えることができないものか、「マヨヒガ」をどう実現するか、頭を抱えたが、試行錯誤の末、舞台の上には回転台を組み、照明に趣向を凝らし、斬新な音楽で、見事大仕事をやってのけた。
 キャストは、風が猛威を振るう中、時にはほとんど寝込んでしまい2,3人だけになりながらも、飢饉で死んでいった人々の無念を、自分なりに考え、精一杯演じた。まさに全員がファンタジーの成功をめざして一つになった公演だった。20回という「峠」をやっと超えたわけだが、まだまだ、道はどこまでも続いている。




 

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