議員は市民の代表

 私たちの生活の身近な問題は、私たち自身で考え、話し合い、解決をしていくことが大切です。しかし、全市民が一堂に会して話し合いをしたり、物事を決めたりすることは、大変むずかしいことです。そこで、私たち市民の代表として議会議員を選び、議員の方々に、私たちの生活に関わる遠野市の方向を決める大変重要な役割を託します。 

地方自治と議会

 日本国憲法には、地方自治により住民の意思を決定する議決機関として議会を置くことが定められています。

 遠野市議会は、遠野市民の要望や意見を聞き、遠野市の行政に反映させていきます。これが遠野市議会の基本的な使命となっています。

議会と市長の関係

 市長は議会の意思にそって、住み良い豊かなまちづくりを進め、議会は、市議会議員で構成し、市長が市政を行うのに必要な予算や条例などを決める役割を果たしています。

 このような働きから、市長を執行機関、市議会を議決機関と呼び、それぞれ独自の権限を持ち、両機関は車の車輪のように均衡をとりながら、ともに市政の発展のために活動しています。

議長と副議長の役割

 議長と副議長は、議員の中から選挙によって選ばれます。

 議長は、対外的に議会を代表するとともに、本会議の主宰者として、会議の円滑な運営や議場の秩序維持に努めます。また、議会事務局の職員の指揮監督をして、議事日程の作成やその他の議会事務を執らせます。

 副議長は、議長に病気などの事故があるときや、議長が欠けたときに職務を代行します。

議会の仕事

 議会の仕事で重要で代表的なものは、市長や議員から提出された議案などを審議して、その可否を決めることです。これを議決といいます。

 議会で決める事項は法律で定められており、市の仕事で重要なものは、ほとんど議会の議決が必要です。議決が必要な主なものは次のとおりです。      
 

  • 条例を制定したり、改正または廃止すること。
  • 予算を定めたり、決算を認定すること。
  • 市の税金に関すること。
  • 使用料や手数料に関すること。
  • 予定価格1億5千万円以上の工事や物をつくる契約を締結すること。
  • 財産を信託すること。
  • 予定価格2,000万円以上の財産の取得や処分をすること。(土地は、5,000m2以上)
  • 負担付きの寄附や贈与を受けること。
  • 法律や政令または条例で決めていることを除いて、市の権利を放棄すること。
  • 重要な公の設備を長期間、独占的に利用させること。
  • 市が、訴えや、和解などをすること。

選挙・選任と同意

 議会は議長や副議長を選挙し、常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会の委員を選任します。
 市長から提出される副市長、教育委員、監査委員、農業委員などの人事案件については、同意するかどうかを決めます。
また、選挙管理委員は選挙して決めます。

市政のための調査・検査と監査

 市政が正しく運営されているかどうかを調査したり、事務の執行状況や出納の検査をすることも議会の大切な仕事のひとつです。

 さらに、監査委員に専門的な監査を求め、その結果を報告してもらうこともできます。

 本会議で質問すること、委員会で報告を受けたり質問を行うことでも、市政をチエックしています。

議案の発案権

 議員は、議会の議決事項に関し、みずから議案を提出できる権限を持っています。これを発案権といいます。議案の中には、予算案など議員に発案権のない事項もあります。

意見書の提出

 私たち市民の生活に関わる身近な問題でも、それが国や岩手県などの仕事であるため、市だけでは解決できない諸問題があります。このようなとき、議会では、議会の意見を意見書や要望書として国や岩手県などに提出し、問題点の積極的な解決を求めていきます。

請願や陳情の審査

 請願や陳情は、私たち市民の要望や意見を、国や県、市の政治や行政に反映させようとする役割を持っています。

 議会では、私たち市民の要望などを請願書や陳情書として受付け、これらの審査を行います。審査の結果、その内容が妥当で施策に反映させるべきであると判断した場合は採択し、そうでない場合は不採択とします。

 採択されたものは、市長、教育委員会やその他の関係機関に送り、その実現を要望します。請願や陳情を出された人には、市議会の審査結果を通知しています。
 なお、請願や陳情の提出方法については、「請願と陳情」で説明してありますのでご参照ください。